疑似体験から学ぶ発達障碍の理解と支援

平成23年2月に『つみきの会10周年記念講演会』を開催しました。
その時に書いた記事をご紹介します。



白山市発達障碍児の親の会 つみきの会10周年記念講演会が、
昨日午後、無事に終了しました。

大きな団体に所属しているわけでもなく、
管理業務は行政にお願いしているものの、
運営そのものは母親たちだけでやっている、
親の会が主催の講演会に80名の参加がありました。

つみきの会主催の講演会は、今度で4回目
第1回は、学校の先生
第2回は、小児精神科医
第3回は、大学准教授
かなりのラインナップです。

記念すべき、発足10周年の講演会は、誰にお願いしたい? 
一切迷いはありませんでした。

自分たちと同じ立場の発達障碍児の母

愛知県から・・・と簡単に書きますが、
名古屋からさらに1時間以上かかり、
金沢まで来ていただくのに、片道5時間以上かかるという、
そんな遠くから、会ったこともない私からの依頼を受け、来てくださったのです。

  
初対面でした。
でも、前から知ってる人みたいでした。
送迎の役得で、往復の車の中でもたくさんお話しましたが、
変な気を使うこともなく、話がとっても盛り上がりました。
  
講演の内容は、すごく濃密で、
さらっと書くにはもったいないので、
日を改めて、少しずつご紹介していきたいと思います。
こうままさんのブログ記事

 2011/2/28



『不適応行動とは・・・』


つみきの会主催の講演会でのお話を、どこからご紹介しようかと思ったら、
まず初めに、伝えなくてはいけないこと、、、
講演会の最後に、こうままさんがご紹介されたこの言葉

不適応行動とは・・・彼らが起こしているのではなく、
支援する側が彼らに適応できていないから起こるのです。
日本でいわゆる「強度行動障害」と呼ばれている行動を起こす人たちがいらっしゃいますが、
こちらが彼らに合わせれば、当たり前ですが、不適応行動は起きないのです。

佐々木正美先生の言葉です。

同じことを、更に詳細に書いたものを、つい数日前に、読んだところでした。














2月の中頃に送られてきた、この会報を読みながら、何度も泣いてしまいました。

私たちは、なんて酷なことを、子供たちに強いてきたんだろう
今この瞬間、理解されずに、理不尽な要求で苦しんでいる子(人)が、たくさんいる

こうままさんは、講義の最初におっしゃいました。
本人支援はもちろんのこと、それにプラスして、家族支援支援者支援が必要」
強く共感しました。

変わらなきゃいけないのは、本人ではなく、家族や支援者
2011/3/2


『「わかる」支援』 

昨日、いちごがたくさん乗った、ひなまつりのケーキをもらいました。




どんなケーキをイメージしましたか?







昨日、ひなまつりのケーキをもらいました。

どんなケーキか伝わりましたか?

多分、最初の言葉だけで、
このタルトケーキを思い浮かべた方は、少ないでしょう。。。

疑似体験・・・講演会でやったのと同じことを、
記事の中ではできないので、ちょっと、私なりに考えてみました。

こちらは正しく伝えているつもりでも、
その通りに伝わっていないことって、私たちの日常生活でも多々あります。

もしそれが、、、この記事を見ているのは日本人がほとんどだと思うので、
英語やロシア語や中国語で、ペラペラ言われて、
「わかったでしょ!」
って、理解できますか~~?

自閉症の方の場合、母国語は第二言語だと言われています。
(言葉を扱える方の場合)
そんな中で日常生活を送っていると、

「自分だけがわからないの?」
「どうしたらいいの?」
「めちゃくちゃイライラする!」
「誰か助けて!」

そんな思いが、募って、

孤独感
不安感
焦燥感
恐怖感

で、いっぱいになり、

暴れたり
叱られることばかりしたり
やる気をなくしたり
おどおどしたり

と言う行動になります。

そうさせない為の「わかる」支援

スケジュール
手順書

本人がわかるもので、提示してあげます。

実物・写真・絵・マーク・文字

これを伝えると、必ずと言っていいほど、
「そんなもの、社会で出たら無いんだから、それでわかっても、社会では役に立たない。
そんなものに頼ることを覚えるより、それがなくてもわかるようにならないといけない。」
と言う人がいます。
何度聞いたかわからない言葉です。。。

極論を言えば、
「それがなくてもわかるように」ならなくても良いんです。
それが当たり前にある社会にならないといけないんです。

でも、、、そんなこと言っても、理想論でしかないので、、、 
「それがなくてもわかるように」なるために、わかる状況から練習するんです。
わかるところから教えてもらうことで、ものごとの「仕組み」「システム」を理解して、
少しずつ、変わってもわかるようになり、なくてもわかるようになるんです。
  
私なりに、記事にしてみましたが、難しいですよね~~
わからなかったら、ごめんなさいm(__)m
 2011/3/3


『できる!が実感できる支援』



疑似体験で、軍手をして折り紙をしました。
それだけなら、知っていたんですが、
そこで重要だったのは、その時の講師からの声掛け

「がんばって」
「あなたならできるよ」
「大変だったら代わりにやろうか」
「はい、時間になったからもうおしまい」

結構、普段、何気なく、、、
子供のやる気を出させようと思って
言ってることが多々あります。

実際、難しいこと(苦手なこと)をやらされながら、こんな声掛けされたら、イライラしました。
余計にやる気をなくしました。
仕上げられなかったことがとても悔しかったです。

これが、発達障碍なのに、
無理矢理他の子供たちと同じことをさせられている
子供たちの気持ちなんです。

未達成感
自己不全感
自信喪失感

だから、

できる!が実感できる支援

が必要なんです。

それは・・・自立課題
自立課題=最初から最後まで一人で行う
個別課題=1対1で指導しながら行う

できるように教え込むのではなく、
最初からできるように設定する

これも、「わかる」支援と同じで、
「できる」ところから始めて、
「できる」自信がついたら、
少しずつレベルアップしていけば良いんです。

放っておいてもできる・・・が、いつの間にか、
安心して任せられる・・・になるんです!
これは、私の実感♡
2011/3/4